イエスと農産物 | イエス時代の農作業は・・・。 |
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聖書には農産物について記してある話が多くあります。その中でイスラエルの地で何が出来るのかについて申命記8章8節に「小麦、大麦、ぶどう、いちじく、ざくろが実る土地、オリーブの木と蜜のある土地である」とあります。聖書時代のイスラエルには7つの特産物がありました。申命記には、そのうち小麦、大麦、ぶどう、いちじく、ざくろ、オリーブの6つを記してあります。後一つは何かというと「なつめやし」です。一般にはシュロと呼ばれています。オリ−ブの実にしても、なつめやしの実にしても貴重な食べ物です。 先年、イスラエルに行った時干したなつめやしの実とオリ−ブの実を食べました。なつめやしの実は甘く美味しかったのでお土産として買って帰り皆さんで一緒に食べたことがあります。オリ−ブの実も美味です。 イスラエル、特にガリラヤ湖周辺は水がありますので農業が昔から盛んです。主イエスの時代もぶどう、オリ−ブ、なつめやし、ざくろ、いちじくの木が育ち、主イエスは、それらを見ながら、あるいはその実を食べながら育ったのでしょう。 |
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ところで主イエスの農の関係について聖書から二、三の例をあげますとマタイによる福音書12章1節以下に「安息日に麦の穂を摘む」の話し、13章1節以下には「種を蒔く人のたとえ、毒麦のたとえ」があります。麦の種を蒔き、芽が出て、やがて実り、それを歩きながら食べたという主イエスの経験がなければ話として成り立ちませんし、毒麦のたとえも経験がなければ言えないことです。また、マタイによる福音書21章18節以下に「いちじくの木を呪う」の話がありますが、これも小さい時からいちじくを取って食べたという習慣が反映しています。さらに有名なヨハネによる福音書15章1節以下の「イエスはまことのぶどうの木」の話も主イエスの実体験がなければあのような話は出来ません。オリ−ブについては主イエスが十字架に架かる前オリ−ブ山を通ってエルサレムを行き来しました。残念ながらざくろについては主イエスの関わりは聖書にはありません。なつめやしは主イエスがエルサレムに入城する時に用いられました。ヨハネによる福音書12章12節以下で「祭りに来ていた大勢の群衆は、イエスがエルサレムに来られると聞き、なつめやしの枝を持って迎えに出た」とありますが、しかし実についての記述がありません。 | |
このように主イエスは、小さい時から農業と農作業を見ながら育ってきました。 だからこそ麦のたとえ、いちじくの話、ぶどうの話などが臨場感を込めて語ることが出来たのです。 聖書を読む時にイエスの時代の農作業を思い浮かべながら読むと、結構面白いし、そこに書かれていることが分かってきます。ちょっとした工夫、つまり当時はどうだったのだろうか、という素朴は思いが読むことを面白くさせます。 |
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新松戸幸谷教会牧師 吉田好里 |
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