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日本キリスト教団 新松戸幸谷教会

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コラムcolumn

パウロの足跡

イコニオン(コンヤ)2 イコニオンからピシデアのアンティオケに向かうときの花々

 イコニオンは現在ではコンヤと呼ばれています。2000年6月にトルコ、ギリシャを中心とした「パウロの伝道の足跡を辿る旅」でコンヤに一泊しました。コンヤは中部アナトリア高原にあり、標高約1000メ−トルにある町です。コンヤの町から富士山を小さくしたようなテクラ山とピリポ山が見えます。翌日バスに乗りテクラ山とピリポ山の山麓を通り、眼下にコンヤの町並みを見ながらピシディアのアンティオキアに向かいました。アナトリア高原を突っ走る道ですが、ある時間が経過したときに道路の両側に花一面の世界が出現したのです。このような世界があることを誰もが予想しなかっただけに旅の仲間たちは全員が、美しさのあまり驚愕の声をあげました。花の咲き方をみますと、誰かが植えたとは考えられません。無造作に咲いているのです。花の種類はポピ−、アネモネ、ヤグルマ草、メネシア、フェンネル等々、ともかく一面に咲いていたのです。標高1000メ−トルを越えたところですが、まさに別世界でした。

 1998年3月にイスラエルに行きました。イスラエルは雨季と乾季があり、雨期の終わりの3月頃ポピ−、アネモネ、シクラメン、菜の花でしょうか、そのような花々が道々に何気なく咲いていました。山上の垂訓教会からガリラヤ湖を見下ろすと一面に菜の花のような花が咲いていました。その中にアネモネ、ポピ−も咲いていました。またエマオと呼ばれるところと、バニアスの滝に近くには原種と言われるシクラメンが咲いていました。その近くにもアネモネ、ポピ−等のお花畑があり、それらの美しさに感動しました。主イエスは、このような花々が咲いているところを歩いたのだ、それが主イエスの感性を養ったのだ、とも思いました。


  野に何気なく咲いている花々の美しさを経験しましたが、アナトリア高原での花々の経験は、それを上回るものがありました。それは規模の大きさです。道路の両脇に「これでもか」と言わんばかりに咲いていました。

 そのような花々を見てフト思ったことは、パウロはこの美しく咲いた花々を見たのだろうか、という思いが沸々とわいてきました。


 パウロがピシディアのアンティオキア、イコニオンを訪ねたのは第1回の伝道旅行の時でした。使徒言行録13章13〜14節で「パウロとその一行は、パフォスから船出してパンフィリア州のペルゲに来たが、ヨハネは一行と別れてエルサレムに帰ってしまった。パウロとバルナバはペルゲから進んで、ピシディア州のアンティオキアに到着した。」とあります。ピシディアのアンティオキアからパウロとバルナバはイコニオンに行きました。そこからリストラに行き、デルベに行って、同じ道を引き返しています。(14章21節)

 どの道を通ったのか、季節がいつ頃であったのかわかりません。花が咲く期間は限られています。その当時花が、果たして咲いていたのか、聖書は何も語っていません。はっきりしていることは1000メ−トルを越える高原をパウロとバルナバは歩いたのです。想像をたくましくすれば、パウロが歩いた頃花々が美しく咲いていてバルナバと「綺麗だね」と言ったかも知れません。あるいは花が咲き終わり枯れ果てたところを歩いたかも知れませんし、冬の凍える手をもみながら歩いたかも知れません。美しく咲いている花々とパウロが見たであろう山々の景色をバスから見ながらパウロの伝道の厳しさ、それと福音を宣べ伝えるパウロの不屈にして強靱な信仰をあらためて思わされました。
 
 新松戸幸谷教会牧師 吉田好里


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