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日本キリスト教団 新松戸幸谷教会

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コラムcolumn

学びの窓

パウロのフィリピ伝道 「フィリピ教会の宣教と伝道」そぢて教会の形成とは

 礼拝においてフィリピの信徒への手紙を学んでいます。視点は宣教論、伝道論の立場に立ってと言うことです。なぜ、フィリピの信徒への手紙なのかと言いますとフィリピ教会は信徒が形成した教会だからです。

 パウロのフィリピ伝道の関わりについて使徒言行録16章6節以下に記してあります。それによりますとパウロがトロアスに来たときに「パウロは幻を見た。その中で一人のマケドニア人が立って、『マケドニア州に渡って来て、わたしたちを助けてください』と言ってパウロに願った。パウロがこの幻を見たとき、わたしたちはすぐにマケドニアへ向けて出発することにした。」とあります。
リディア川

 フィリピに到着した後で13節「安息日に町の門を出て、祈りの場所があると思われる川岸に行った。そして、わたしたちもそこに座って、集まっていた婦人たちに話をした。」のでした。婦人達の中にティアティラ市出身の紫布を商う人で、神をあがめるリディアという人がいてパウロの話を注意深く聞いたのです。「そして、彼女も家族の者も洗礼を受けた」のでした。ここからわかりますようにフィリピ教会の設立基盤は「祈りの場所」に集まっていた婦人達なのです。

 先年、教会の関係者等と「パウロの足跡をたどる旅」で、今で言うトルコとギリシャを訪ねました。フィリピに行き遺跡を見学すると共に使徒言行録に「祈りの場所があると思われる川岸に行った」とありますが、そのような場所にも行きました。リディア川が流れていて、川の近くには教会がありました。川の傍らで、わたしたちは使徒言行録16章を読みました。その場所が使徒言行録に記されている場所であるかどうかは定かではありません。2000年も経過しているのですから地形的にも変化しています。そのことはわかっていても使徒言行録に書かれている「川岸」には臨場感がありました。
 
リディアという婦人を記念して建てた記念碑


 パウロが女性達と話した場所が「このようなことだったのか」、それはよくわかりました。そして、そこに向かったパウロがどんな思いで向かったのか、そのことも想像できました。それは福音を宣べ伝える一途な思いからであることは分かります。一人でも多くの人に福音を聞き、信じてもらいたい、そのような切羽詰まったパウロの宣教乃至は伝道に対する思い、それがパウロの胸中にあったことは事実です。

 パウロの福音を延べ伝えようとする情熱、パウロの話しを聞いて信じ、洗礼を受けたリディアと他の人たち、その人たちによってフィリピ教会は作られたのです。このフィリピ教会は、その後パウロの伝道をさまざまな形で助け、支えたのです。

 宣教とか伝道は伝道者一人で出来るものではありません。限界があります。信徒の人たちが積極的に参加してこそ宣教と伝道は可能となり、また教会は形成されるのです。その典型がフィリピ教会でした。
 
 新松戸幸谷教会牧師 吉田好里


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