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日本キリスト教団 新松戸幸谷教会

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コラムcolumn

パウロの足跡

ピシデアのアンティオキア パウロ伝道の地、もう一つのアンティオキア
列柱道路

パウロが伝道した町の一つにピシディアのアンティオケ(アンティオキア)があります。もう一つパウロが伝道の拠点としたシリアのアンティオケ(アンティオキア)がありますが、シリアのアンティオケに対してピシディアのアンティオケと言われていますが、この町はトルコを横断する1,000M以上のアナトリア高原内にあります。ピシディアのアンティオケは紀元前3世紀にセレウコス1世ニカト−ルが造った町と言われ、紀元前25年アウグストウスがローマの植民地としました。それまでは山賊のような人達が住んでいたと言われ、アウグストウス以降は山賊退治のロ−マ軍が駐屯して栄えたと言われています。

 ピシディアのアンティオケは丘の上に建てられた町です。すでに発掘が行われ、ロ−マ風の町であったことがよくわかります。少し上るようにして両側に列柱の残骸があり、その間の石畳の道を歩くと、商店街があります。更に進むと会堂(シナゴグ)や議会があったと言われているところがあり、もう少し上るとアウグストウスの広場があって、そこにアウグストウスの神殿跡があります。遺跡はまとまったかたちで残されていました。

まわりを見渡すと起伏に富んだアナトリアの高原が広がり、一つの方向を見ますと隔たった下の方に現在のヤルヴァッチと言う町が見えます。家々は赤い屋根でピシディアのアンティオケの遺跡から見ますとこじんまりとした町に見えました。その眺めは遺跡、アナトリア高原の起伏とマッチして、とても素晴らしい眺めでした。


ピシディアの劇場跡

 パウロはピシディアのアンティオケには少なくとも2回は訪れています。1回目は第1回の伝道旅行の時です。使徒言行録13章に記されています。シリアのアンティオケを出発したパウロとバルナバの一行はキプロスで伝道してアタリアからペルゲに行き、そこからアナトリア高原を登ってピシディアのアンティオケで伝道しました。パウロは、そこで会堂長の依頼によりイスラエル民族の歴史から出発して、主イエスの復活まで語りました。 

 その伝道の成果について使徒言行録13章42節以下に「パウロとバルナバが会堂を出るとき、人々は次の安息日にも同じことを話してくれるようにと頼んだ。集会が終わってからも、多くのユダヤ人と神をあがめる改宗者とがついて来たので、二人は彼らと語り合い、神の恵みの下に生き続けるように勧めた。次の安息日になると、ほとんど町中の人が主の言葉を聞こうとして集まって来た」とあります。好評を博したのです。

 しかし、45節に「ユダヤ人はこの群衆を見てひどくねたみ、口汚くののしって、パウロの話すことに反対した」のです。50節に「ユダヤ人は、神をあがめる貴婦人たちや町のおもだった人々を扇動して、パウロとバルナバを迫害させ、その地方から二人を追い出した」のですが、教会は出来たようです。その後イコニオン、リストラ、デルベで伝道し、再びピシディアのアンティオケに戻ってシリアのアンティオケに帰って行きました。

 
遺跡に咲く花々
 第2回の伝道旅行の時のことですが、15章36節に「パウロはバルナバに言った。『さあ、前に主の言葉を宣べ伝えたすべての町へもう一度行って兄弟たちを訪問し、どのようにしているかを見て来ようではないか』」とあります。それで出発して16章1節に「パウロは、デルベにもリストラにも行った。そこに、信者のユダヤ婦人の子で、ギリシア人を父親に持つ、テモテという弟子がいた」とあります。第1回の伝道旅行はピシディアのアンティオケからイコニオン、リストラ、デルベに行きました。第2回では「前に主の言葉を宣べ伝えたすべての町へもう一度行って」とありデルベ、リストラに立ち寄ったとすれば、当然ピシディアのアンティオケにも行ったと考えられます。

 当時のピシディアのアンティオケはアナトリア高原の中にポツンとある町でした。次の町に行くには、なお距離的隔たりがあります。パウロの一行はひたすら歩いて町から町に行って伝道したのです。迫害、妨害、非難に遭遇しながらです。テモテへの手紙U 3章11節に「(ピシデイアの)アンティオキア、イコニオン、リストラでわたしにふりかかったような迫害と苦難をもいといませんでした。そのような迫害にわたしは耐えました。そして、主がそのすべてからわたしを救い出してくださったのです」とあります。パウロの信仰の底力を感じざるを得ません。
 
 新松戸幸谷教会牧師 吉田好里


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