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日本キリスト教団 新松戸幸谷教会

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コラムcolumn

人生の扉

2009/10 ボリュームある人生
人生の質を高めるとは・・・。
 時々、病院にお見舞いに行ったり、また自分自身の診察のために病院に行くことがあります。その時、いつも思うことは「どうしてこんなに診察に来る人と入院している人たちが多いのだろう」ということです。それだけ病気になる人が多いことと、持病を持っている人が多いと言うことになります。

 病気は治さなければなりません。治して一日でも長く生きることが与えられた生命を全うすることになるのです。しかし、人間は自分の命を自由自在に思いのままにすることは出来ません。命はやがて尽きるのです。

 昨年の9月から筆者に関わりのある人が9人も亡くなりました。年代は50才代から80才代の方々です。ある人は長年の病から、ある人は突然に、ある人は不治の病を宣告され短期間に、ある人は検査のために入院し、そのままに等々、死の迎え方は一人一人違います。このようなことを経験しますと人間は自分の命をどうすることも出来ない、その無力さと命の脆さ、そして何時どうなるか分からない、そのことを痛感しました。

 それではどのようにしたらよいのかということになります。結論から先に言いますと「人生の質(クオリティ− オブ ライフ)」を高めていく以外ありません。人生の質を高めるということは「よく生きる」と言うことです。
ある哲学者は「最も多く生きた人は、最も長生きした人ではなく、生を最も多く感じた人である」と言っています。つまり、時間的に長く生きた人が「よく生きた」人ではなく、生きていることを感じる、それは「生きていてよかった」という思いを持つことです。日野原重明氏は「生きることの質」という本の中で「長い人生もいい、幅のある人生もいい。しかしこれだけではまだ平面的です。生きがいのある人生というのは深さですから、立体的でボリュウ−ムがあるべきです。人生というものを線で終わるのではなく、平面で終わるのでなく、ボリュ−ムとして考えるために、いま何をしなければならないか、自分の生活をどのように改めるかを考えて欲しい」と指摘しています。意味深い表現です。ボリュ−ムのある人生、そのために何かをすることです。

 イエス・キリストは「あなたの神である主を愛しなさい。また、隣人を自分のように愛しなさい」(ルカ10:27)と言っています。

 神を愛する、それは神に生かされていることを意味します。そして人を愛する、それは自分の働きによって人を生かすことです。これらが自分の人生のボリュ−ムとなり、立体的になるのです。結果として人生の質を高めていくことに他なりません。それは何時命をとられても欲しくない人生でもあります。
 新松戸幸谷教会牧師 吉田好里


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