本文へスキップ

日本キリスト教団 新松戸幸谷教会

電話でのご相談・お問い合わせはTEL.047-345-1059

〒270-0034 千葉県松戸市新松戸2-169

コラムcolumn

人生の扉

2011/06 「頑張って」とは言えない
それでもそっと寄り添いたい
 東日本大震災が発生して、6月11日で3カ月が過ぎました。地震と津波により多くの方が亡くなり、行方不明になりました。さらに、原発も危険な状態が続いています。地震と原発事故で避難生活を余儀なくされている方も多く、今後の生活の見通しが立ちにくい状況に置かれています。テレビやラジオ等で被災された方、避難生活されている方の話を聞く度に身につまされます。

 東日本大震災が発生してから「頑張って」という言葉をよく耳にします。この言葉を聞く度に違和感を覚えます。地震と津波で愛する者を失い、家や仕事など衣食住のすべてを失い、さらに原発事故により住み慣れた家と地域から離れなければならない状況下に置かれています。そのような方々は、まさに限界に近い中で、今精一杯の生活をしているのです。

 もちろん「頑張って」と言う言葉が、励ましの意味で使われていることは事実です。あふれ出る善意で言っているのです。その善意は十分過ぎるほど分かります。 それでも、衣食住が与えられているわたしたちが、被災地で「頑張って」生活している人たちに「頑張って」と言うことは酷ではないか、そのように思います。反面、被災地の方が「頑張ります」と言われたなら、それを最大限に評価して「頑張ってね」と言わなくてはなりません。

 「頑張って」という言葉を使わないとすると、ではどのような言葉を使えばよいのでしょうか。正直なところ、それにふさわしい言葉は見つかりません。 筆者はときどき「明日を生きましょう」という言葉を使います。人生は一寸先は闇です。何が起こるか分からないし、明日がどのような1日になるかも分からないのが現実です。それでも明日は誰にも平等に訪れます。人生にどのようなことが襲ってきても、またどのような環境に置かれたとしても明日を生きていく、その歩みはたどたどしいかもしれません。それでも生きていく勇気が必要なのです。

 当教会では、被災地が必要としている物資を送っています。これまで4回送りました。被災地が必要としている物資は日々変わりますので、求められているものを、教会の方々にお願いして新品を献品していただき、それを送っています。わたしたちは、それを「させていただく」という思いで行っています。

 被災された方々の心労は、わたしたちの想像を絶するものがあります。意識の差には大きな隔たりがありますが、それでもそっと寄り添いたい思いはあります。必要と
されている物資を送ること、それしかわたしたちの教会が出来ることはありません。それが「させていただく」という意味です。 必ず来る明日に向かって、明日を共に分ち合いながら生きていきたいと思います。
 新松戸幸谷教会牧師 吉田好里


日本キリスト教団 新松戸幸谷教会新松戸幸谷教会

〒270-0034
千葉県松戸市新松戸2-169
TEL 047-345-1059
FAX 047-345-2735