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日本キリスト教団 新松戸幸谷教会

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コラムcolumn

人生の扉

2013/01 人生のアンカーボルト
明確な人生観を持って豊かな実を結ぼう
 新しい年になって、早半月になります。この年がどのような年となるのか全く分かりません。それはまた、わたしたち一人一人の人生も同じです。その中でいろいろな出来事が起こるのです。

 中央高速道路の笹子トンネルで昨年の12月2日、天井を固定させている「アンカ−ボルト」がはずれ130メ−トルにわたって天井が崩れ落ちるという事故が起きました。たまたま、そこを通りかかった自動車3台が巻き込まれ9人が亡くなりました。この出来事を聞いた時に人生の不条理さをつくづく思いました。乗っていた人は突然天井が崩れ、何が起こったのか具体的なことは何も分からないで亡くなってしまいました。これほど悲しく、辛い出来事はありません。突然愛する者を失ったご家族の悲しみは言葉につくせないものがあります。

 考えてみますと突然の事故によって命を失うことは毎日どこかで起こっています。それは決して人ごとではなく自分の問題でもあり、もしかしたら明日自分に降りかかるかもしれません。その意味で、今回の出来事が人々に大きな衝撃を与えたことは事実ですし、また自分自身の問題として受け止めなければならないことを教えてくれました。

 事故の引き金となった「アンカ−ボルト」ですが、日本語大辞典には「建築物の土台とその上の構造物をつなぎとめるため、土台に埋め込めるボルト」とありました。家の建築で言うならコンクリ−トの土台の上に木の柱を置き、それを結びつけるボルトのことで、それによって建物が強固になります。笹子トンネルの事故は、そのアンカ−ボルトが緩んでいたのですからどうしようもありません。

 人生ははかないものです。何時どのようなことが起こるか分かりません。命に関わることで「自分だけは大丈夫」ということは絶対にないのです。今ある生活はたまたま、そのようなことに遭遇しないだけです。

 そうだとすると自分がどのように生きるのかを考えておく必要があります。人生のアンカ−ボルトは「人生観」です。自分の人生をどのような価値に結びつけているのか、ということです。この人生観が明確であれば生きることで右往左往しながらもそれなりに強く生きることが出来ます。

 イエス・キリストは「わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である。人がわたしにつながっていれば、その人は豊かに実を結ぶ。」と言いました。実のある人生ということですが意味の深い言葉です。
 新松戸幸谷教会牧師 吉田好里


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