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日本キリスト教団 新松戸幸谷教会

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コラムcolumn

人生の扉

2018/08 平和について

 毎年8月は平和について考える月です。広島に原爆が投下されたのが8月6日、長崎は8月8日です。犠牲者は広島が14万人、長崎が7万4000人と言われています。その日から73年が経ちました。わたしは戦争が終わった年に生まれました。わたしの人生は戦争が終わったことと原爆のことが何時も一緒になっています。
 ところで広島と長崎の被爆者の平均年齢は82才になります。先日テレビを見ていましたら、ある80才台の女性が50年近く被爆者であることを隠していた、そのことを言えば被爆者の目でみられ、結婚にも影響するから、と言うような主旨のことを言っていました。わたしの身近にも原爆の犠牲となった人の関係者がいました。その人達から原爆のことは一言も聞いていませんでした。今考えると、彼らには、それほど大きな重荷となっていたのです。

 ある新聞に「今春、プロ野球の広島東洋カ−プに対戦チ−ムの応援席から『原爆落ちろとヤジが飛んだ』飛んだ。長崎では、修学旅行中の中学生が語り部の被爆者に『死に損ないと暴言をあびせたこともある』.学校での平和学習は、教育の政治的中立を強調する声の高まりで忌避の風潮が広がり、被爆地でさえ『後退が指摘されて久しい』」と書いてありました。この記事で驚いたのは中学生が語り部に「死に損ないと暴言をあびせたこと」です。このことには驚き、何を考えているのだ、と言うことで怒りが込み上げてきました。日本は唯一被爆体験国です。73年経っても、その後遺症は残っています。被爆者は高齢化し、語り部がいなくなっていて被爆体験のない3世の語り部が語っている、とのことです。このことを心に留めなければならないのです。

 以前広島や長崎に所用で行った折に原爆記念館を訪れたことがあります。投下直後の悲惨さを見ましたが、目を覆いたくなるような光景です。一発の原爆によって町自体が破壊されてしまう、このようなことは二度と起こしてはならない、そして戦争も決して起こしてはならない、その思いを持ちました。また、広島の原爆ド−ムも後世に残し、戦争の悲惨さの証しとして守り続けなければならない、と思っています。

 わたしたちは神とキリストの平和を語り続ける使命を負っています。ゼカリヤ書8章19節に「あなたたちは真実と平和を愛さねばならない」とあります。また、パウロはエフェソの信徒への手紙2章14節以下に「実に、キリストはわたしたちの平和であります。二つのものを一つにし、ご自分の肉において敵意という隔ての壁を取り壊し、規則と戒律ずくめの律法を廃棄しました。こうしてキリストは、双方をご自分において一人の新しい人に造りあげ平和を実現し」と言っています。キリストは平和です。キリストにある平和を実現すべく、今後とも努力したい。

 新松戸幸谷教会牧師 吉田好里


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