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日本キリスト教団 新松戸幸谷教会

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コラムcolumn

学びの窓

2013/12  言い伝えられたもの−クリスマスの意味

  ラジオ放送で午前4時からの番組に「明日への言葉」と言うのがあります。先日、土壁の左官職人である「挾土(はさど)秀平」という方の話を聞きました。この方は首相官邸の壁を塗ったりするなど技術力を持った人です。

 話の中で「今の住宅で壁を塗る家がほとんどない。家はボルトで組み立てることで作られている、そのようなことで大工や壁を塗る職人がいなくなっている、その面で日本的なものが失われつつある」という主旨のことを言っていました。

 これもラジオで聞いたのですが茶道を習う人が少なくなっていると言うことも聞きました。このことは同時に華道にもつながっているのではないかと思いました。そのような中、松戸市の市制70周年記念行事として行われた「松戸市三曲演奏会」に行きました。ホ−ルに入って驚いたのは聴衆が少ないこと、聞きに来た人のほとんどが高齢者であることでした。家のことにしても、習い事にしても長く引き継いできた技術、技能が失われつつあることを痛感しました。それは日本文化の衰退を意味しているようにも思いました。

  確かに、家は組み立て式の住宅であっても住む上では何も問題はありません。習い事にしてもなくても日々の生活には何の支障もありません。過去を振り返って「そのようなものがあった」と言うことでもいいのです。しかし、長い間伝えられてきたことは文化を構成し、生きる上では精神的支柱ともなります。そのことを考えると、過去から現在にわたって、わたしたちに言い伝えられてきたことを思い起こす必要があるのではないか、そしてそれを大事にしなければならないのではないかと思います。

 文化の継承ということで言うとイスラエル民族は「律法」を大切にしてきました。神様はモ−セの後継者ヨシュアに「わたしの僕モ−セが命じた律法をすべて忠実に守り、右にも、左にもそれてはならない。そうすればあなたはどこに行っても成功する。この律法の書をあなたの口から離すことなく、昼も夜も口ずさみ、そこに書かれていることをすべて忠実に守りなさい。そうすれば、あなたは、行く先々で栄え、成功する」(ヨシュア記1章7〜8節)と言いました。イスラエル民族にとって言い伝えられてきたものは「律法」です。これが彼らにとっての民族としての精神的な支柱なのです。その歴史は今も色濃く残っています。

 わたしたちキリスト者にとって言い伝えられてきたものは何かです。パウロはロ−マの信徒への手紙で「まず、初めに、イエス・キリストを通して、あなたがた一同についてわたしの神に感謝します。あなた方の信仰が全世界に言い伝えられているからです。」(1章8節)とロ−マ教会の人たちに言っています。「あなたたちの信仰」とはイエス・キリストが十字架に架かり、死んで復活したことです。ロ−マ教会の人たちは、このことを言い伝えてきたのです。この「言い伝え」は今日まで、2000年の間面々と受け継がれてきました。この言い伝えによって人々は生かされてきたのです。そして、全世界に文化を築いてきました。

  2013年のクリスマスを迎えます。イエス・キリストの誕生の意味を、これからも言い伝えて行きたいと思います。それがわたしたちの人生のあゆみになるのです。

 新松戸幸谷教会牧師 吉田好里


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