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日本キリスト教団 新松戸幸谷教会

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コラムcolumn

学びの窓

2016/04  こころのしわの癒やし
 先日、ある演奏会に行きました。バイオリン2人、クラリネット、ビオラ、チェロ、ピアノの6名による演奏でした。曲目はシャロンの花、春の歌、クラリネット五重奏曲、讃美歌、日本の曲等でした。6人による演奏でしたが直接聞くというところに迫力が伝わってきます。ラジオやインタ−ネット、CDで聞くことがあるのですが、そこは媒体を通しての演奏ですから、ステレオとしてどんなにきれいに聞けたとしても、細かい音は伝わってきません。演奏する演奏者の表情が見えること、指や体の動きが見えること、そして音の響き、何よりもまして多くの聴衆がいて盛大な拍手があること またアンコ−ルがあることを含めて迫力が伝わってきます。この迫力は媒体を通して聞く音楽にはありません。

 一つの演奏会を開くために演奏者は時間をかけて練習し、曲の弾き方、音の出し方などをチェックし、時にはなおしたりして仕上げていくのでしょう。このことは当教会で毎年クリスマスコンサ−トを開催していますが、コンサ−トの前に、必ずリハ−サルをしています。午前中教会に来て、会堂で練習し夕方帰っています。2階で教会のことをしながら聞いていますが、何回も何回も弾き直しています。演奏者に聞いたことはありませんが「これで完璧、大丈夫」と言うことにはならないのではないか、どこかに不安を残しながら、教会を後にしているのではないか、そのように思います。その意味で演奏者には演奏者の複雑な思いがあることでしょう。

 聞く側は演奏曲を聴いて感動します。音楽は感動であり、癒やしであると言われていますが、なぜか今回の演奏会で強く感じました。楽器の音にはリズムがあります。そのリズムが人間の心に共鳴することによって、心が癒やされる、それはまた「こころのしわ」の癒やしでもあります。それと体全体を使って演奏している奏者をみて、小手先で奏でるものではない、体全体から音が出て来るのだ、そのように思いました。音楽をたしなまれている方や好きな方は、そのようなことは当然と思っていることでしょうが、最近音楽を習い始めた者にとっては新鮮な思いとして伝わってきました。

 ところで音楽が癒やしであるとすれば、それは「こころのしわの癒やし」と言うことです。「しわ」は筋目上の縮みであいたるみです。人の顔には年と共にしわが出来てきます。容姿を気にする人間は、しわには敏感です。それだけに手当をして目立たないように努力しています。実はこころにもしわが出来るのです。人は日々さまざまな思い煩いを持ちながら生活しています。解決する思い煩いもありますが、解決出来ないものもあります。それが人生の苦しみになっているのです。そして、そこから解放されたいという思いをもちます。

 このような「こころのしわ」は好きなことや楽しいことをして伸ばされるものではありません。その時が過ぎれば、また出て来るのです。「こころのしわ」は神様とイエス・キリストの言葉によって引き伸ばされるのです。この引き伸ばしが礼拝でなされるのです。

 新松戸幸谷教会牧師 吉田好里


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